白内障・緑内障

白内障について

眼球には水晶体というレンズがあります。白内障はその水晶体が白くにごってしまう病気です。水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなったりして、視力が低下します。
白内障の原因は、ほとんどが加齢によるもの。個人差はありますが、60歳以上のほとんどの方が白内障があります。
また、糖尿病やアトピー性皮膚炎などの合併症で、白内障にかかる人も増えてきています。また、薬剤による副作用や目のケガから白内障を引き起こすケースや、赤ちゃんがお母さんの体内にいる時に、風疹に感染したことなどが原因となり、生まれつき白内障にかかっているケースもあります。
白内障はほっておくと、緑内障につながることもあります。99.9%は手術で完治しますので、きちんと治療を行うことをおすすめします。

白内障の症状

初期はほとんど自覚症状がなく、濁りがだんだん進んでくると視力が低下します。
見えにくいのは老眼のせいと自己判断する人もいますが、老眼は近くのものだけが見えにくいのに対して、白内障は全体が見えにくくなります。
また、次のような状況だとすれば、白内障の可能性があります。

  • 周囲がかすんで見える
    霧がかかったようにぼやけて、かすんで見えます。
  • まぶしい
    太陽や照明などがまぶしくて、見えにくくなります。
  • 一時的に近くが見えるようになる
    これまで見えにくかった近くが一時的に見えるようになります。
  • ものが二重、三重に見える
    片目で見ていても一つが二つ、三つに見えることがあります。

白内障の検査

細隙灯顕微鏡という特殊な顕微鏡で目を拡大した状態で検査します。細かい光を目の表面にあて、水晶体の状態、濁りの部位などを調べます。

白内障の治療

日常生活に支障がない初期のころはあわてる必要はありません。点眼薬や内服薬により進行を遅らせることができます。
ただし、水晶体の濁りを改善したり、視力を回復させたりすることはできません。
白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようであれば、やはり手術が必要です。当院では手術が必要な場合は、信頼できる白内障の手術医をご紹介いたします。

こんなときは手術を考えましょう

  • 視力が低下して仕事に支障がある
  • 外ではまぶしくて、極端に見えづらくなる
  • 視力が0.7以下になって、運転免許の更新ができない

緑内障について

緑内障は、何らかの原因で視神経に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなっていく病気です。初期と中期は自覚症状がないため早期発見が難しく、眼科医を受診しないまま放置されがちです。
気が付かないうちに病気が進行していることが多く見られ、理由として、緑内障は、ゆっくりと視神経に障害が起き、少しづつ視野が狭くなるからです。
緑内障で最も大切なことは、早期発見、早期治療です。一度障害を受けた視神経は現在の医療では、元に戻す方法はないのですが、病気の進行を遅らせることは十分可能です。毎年1回はかかりつけの眼科医にかかり、しっかり検査を受けることが大切です。

緑内障の進行

初期

自覚症状はありません。目の中心をややはずれたところに暗点ができます。検査をすると視野の異常が発見できます。

中期

自覚症状はありません。暗点が拡大し、視野の欠損が広がり始めます。

末期

視野がさらに狭くなり、視力が落ちて普段の生活にも支障をきたすようになります。さらに悪化して、中心の視野を失うと失明する危険性もあります。

緑内障の種類

原発開放隅角緑内障

房水の出口にあたる線維住帯が徐々に目詰まりしている状態です。
房水の流れがとどこおり、眼圧が上昇。初めのうちは自覚症状がないまま、ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。

正常眼圧緑内障

眼圧が正常範囲(10~21mmHg)にも関わらず、緑内障の症状が出てきます。
40歳以上の日本人は約20人に一人が緑内障になっているとされますが、そのうち60~70%がこのタイプです。

原発閉塞隅角緑内障

隅角がふさがれて、房水の流れにくくなっている状態で眼圧が上昇します。
慢性型と急性型があり、急性型は目の痛み、頭痛、吐き気を伴い、ひどい場合には一晩で失明してしまうこともあります。

先天緑内障

隅角が生まれつき未発達である場合に起こる緑内障です。

続発緑内障

糖尿病など全身の病気やぶどう膜炎、外傷、薬物(主にステロイド)などから続発して起こる緑内障です。

緑内障の検査

視野検査

視野に異常がないか判定します。

眼底検査

網膜にある視神経乳頭のくぼみの形が正常か緑内障変化があるかなどを写真撮影などで検査します。

眼圧検査

空気を目の表面に当て検査する方法と、目の表面に直接測定器を当て検査する2つの測定方法があります。

緑内障の治療

開放タイプの緑内障の治療は、薬を使って房水の量を調整するなどして眼圧をできるだけ下げ、視神経への負担を軽くします。
1種類の薬で初めは様子をみて、途中から変更してみたり、2~4種類の薬を併用することもあります。
点眼薬だけでは効果があまり見られないような場合は、内服薬を併用することもあります。手術が必要な場合は、信頼できる緑内障の専門医をご紹介いたします。

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